小説

【第2話】賑やかな食卓

「全くついてないわ……」 ドレッサーの前でアリスは小さくため息をつきながらも、髪をとかす手を止めなかった。 いつもよりもひどい寝癖に、何故か鳴らなかった目覚まし時計。 加えて今日は数少ない外出許可の日だというのに、既に陽は半分も傾いていた。…

【第1話】プロローグ

 ――私はもう、生きるすべを失った。 ただただ暗いだけの世界で、彼女はただ冷静に自分の現状を見つめていた。 痛覚はなく、視覚もない。故に彼女は未だにこの惨状に耐えることが出来ていた。 気付かないままでいられた・・・・・・・・・・・・。 辺り…